タイ古式マッサージで「痛い」と感じる原因は大きく5タイプあり、タイプごとに対処が異なります。我慢せず痛みの種類で伝える4フレーズや、施術後の痛み・だるさが一時的な反応か受診サインかの判断軸を整理します。
この記事でわかること
- 「痛い」と感じる原因は大きく5タイプ。タイプごとに対処が違う
- 我慢せず伝えるための4つのフレーズ(弱くして、ではなく痛みの種類で伝える)
- 施術後の「痛い・だるい」は一時的な反応か、受診すべきサインかを時間軸で判断
- 強い痛み・しびれ・3日以上続く痛みは医療機関へ。施術は医療行為ではない
公的情報源: 厚生労働省・国民生活センター・日本整形外科学会・WHO の公開資料を参照
タイ古式マッサージを受けて「思ったより痛かった」「翌日に体がだるい」と感じ、不安になって調べる方は少なくありません。本記事では、その「痛い」の正体を原因別に分け、施術中の伝え方と施術後の見分け方を整理します。読み終わるころには、痛みを我慢せずに済む受け方がわかるはずです。
結論を先に書きます
タイ古式マッサージは、適切に受ければ強い痛みを我慢する施術ではありません。それでも「痛い」と感じるのは、原因が一つではないからです。「痛い」は大きく5タイプに分かれ、タイプごとに対処が違います。
迷ったときの判断はシンプルです。我慢して受け続けず、痛みの種類を施術者に伝える。そして施術後に強い痛み・しびれ・皮下出血が出たら、自己判断せず医療機関に相談する。これが安全に受けるための芯になります。
- 「痛い」の原因は神経・骨/深層筋/ストレッチ/強圧/既往症の5タイプ
- 伝え方は「弱く」ではなく痛みの種類で(4フレーズ)
- 施術後の反応は当日/翌日/3日以上の時間軸で見分ける
- しびれ・3日以上続く痛み・皮下出血は医療機関へ
なお、リラクゼーションは医療行為ではありません。慢性的な痛み・持病・治療中の症状がある場合は、施術を受ける前にかかりつけ医へご相談ください。本記事は一般的な情報の整理であり、特定の効果・効能を保証するものではありません。
タイ古式マッサージで「痛い」と感じる5つの原因
結論から言うと、「痛い」と表現される感覚はおおむね5タイプに分けられます。同じ「痛い」でも、ほぐれている証拠の痛みもあれば、すぐ伝えるべき危険な痛みもあります。ここを混同すると、お客様も施術者も対処を間違えます。
たとえば鋭く刺すような痛みを「効いている証拠」と勘違いして我慢すると、揉み返しのリスクが上がります。原因の見分けが、安全な施術の出発点です。

- 刺すような鋭い痛み(神経・骨に近い領域の圧)
- 深部にジーンと響く重い感覚(深層筋への圧)
- ストレッチ時の関節の引き伸ばし感
- 心地よさの限界を超えた強圧
- 既往症・体調由来の痛み
タイプ1:刺すような鋭い痛み(神経・骨に近い領域の圧)
「ピリッ」「ズキッ」「電気が走る」感覚は、ほぐれる痛みとは別物です。 関節部・骨の突起・神経が浅く走る部位に強い圧がかかると起こります。
タイ古式は手のひら・拳・肘・足を使い、全身に圧を加える施術です。骨や神経の位置を踏まえずに圧を入れると、このタイプが出やすくなります。我慢して受け続けると、神経痛のような不快感が翌日まで残ることもあります。出た時点ですぐ伝えるのが原則です。
タイプ2:深部にジーンと響く重い感覚(深層筋への圧)
こちらは「痛い」と言われがちですが、本来は「効いている感覚」に近い分類です。殿筋や腰方形筋などの深層筋に圧をかけると、ジーンとした重い圧痛が出ます。
「気持ちいい痛さ」「ちょっと痛いけど続けてほしい」と表現される、心地よさと痛みの境界線上の反応です。ただし、この感覚も体調次第で「ただ痛いだけ」に変わります。睡眠不足やストレスが強い日は、同じ圧でも不快な痛みに転じやすいため、当日の体調共有が大切です。
タイプ3:ストレッチ時の関節の引き伸ばし感
タイ古式は指圧だけでなく、ヨガに近いストレッチが大きな比重を占めます。股関節・肩関節・脊柱を伸ばすと、可動域の限界付近で「ピーン」とした引き伸ばし感が出ます。
これも本来は施術範囲内の感覚です。ただし可動域には個人差が大きく、無理に伸ばすと関節周辺の炎症リスクがあります。年齢・運動歴・骨格で伸ばせる範囲は変わるため、一律のフォームで強く伸ばすのは適切ではありません。
タイプ4:心地よさの限界を超えた強圧
いわゆる「強もみ」による痛みです。お客様が「強めで」と希望したケースや、強さで効果を出そうとするスタイルの施術で起こります。
ここは強調しておきます。強圧と満足度は比例しません。 強く受けた直後は「効いた感」がありますが、翌日・翌々日に揉み返しが出やすいことが業界全体でも指摘されています。
タイプ5:既往症・体調由来の痛み
椎間板の問題・神経の圧迫・関節炎・原因不明の急性痛など、施術前から潜在していた体の問題が施術で表面化するパターンです。これは施術の責任というより、本来は問診で把握すべき要素ですが、お客様自身も気づいていない不調が含まれるため、完全には事前回避できません。
このタイプは医療機関の領域です。強い痛みが出た場合は施術を中断し、症状によっては受診を優先します。
| 痛みの原因(タイプ) | 主な対処 |
|---|---|
| 1. 刺すような鋭い痛み | 即座に伝えて圧を緩める。神経走行を避ける |
| 2. 深部に響く重い感覚 | 体調次第で調整。強すぎれば段階的に弱める |
| 3. ストレッチの引き伸ばし感 | 限界前に伝えて中止。呼吸を止めない |
| 4. 強圧による痛み | 「心地よさの限界」を伝え、強さを再設定 |
| 5. 既往症・体調由来 | 施術を中断し、症状により医療機関へ |
痛みを我慢しない!施術者に伝える4つのフレーズ
ここが本記事の中心です。「痛いと言いづらい」「うまく伝えられず我慢した」という声は本当に多く聞きます。でも、痛みの伝え方には型があります。「弱くして」ではなく、痛みの種類で伝えると、経験のある施術者ならすぐ圧と角度を調整できます。
- 「刺すような痛みがあります」
- 「深部に響く感覚が強すぎます」
- 「ストレッチがこれ以上は無理です」
- 「心地よさの限界を超えました」
フレーズ1:「刺すような痛みがあります」:神経・骨領域を避けるサイン。「ピリッ」「電気が走る」表現で施術者は即座に圧を緩め、神経走行を避けます。「あ、大丈夫です」と我慢で流さず、痛みの種類を伝えます。
フレーズ2:「深部に響く感覚が強すぎます」:深層筋圧を段階調整するサイン。「弱くして」だけだと表面的に弱められるだけですが、これを伝えると深部へのアプローチ自体を段階的に調整してもらえます。
フレーズ3:「ストレッチがこれ以上は無理です」:可動域の限界サイン。「きついです」は曖昧で「もう少しいける」と判断される余地があります。「これ以上は無理」と明確に言うと、施術者はストレッチを切り上げ、別のアプローチへ切り替えます。
フレーズ4:「心地よさの限界を超えました」:強圧の調整サイン。「痛いです」だと「効いている証拠」と解釈されてさらに強くされる恐れがあります。「心地よさの限界を超えた」と伝えると、強さの基準が再設定されます。

国民生活センターの公開資料では、リラクゼーション・整体等の施術に関する消費者相談が継続的に寄せられており、施術中の体調変化を施術者に伝える重要性が注意喚起として発信されています(2026年6月時点・国民生活センター公開資料より)。
施術前後の過ごし方や、痛くない受け方をさらに知りたい方は、自宅でできるタイ古式風セルフストレッチもあわせてご覧ください。
施術後に「痛い・だるい」:一時的な反応か、受診すべきサインか
施術後の不調も相談の多いテーマです。「翌日体が痛い」「だるい」「軽くしびれる」は、時間軸と症状の種類で見分けます。多くは一時的な反応ですが、注意すべきサインもあります。

当日〜数時間後:循環変動による一時的な反応:施術直後から数時間、眠気・軽いだるさ・軽い口渇を感じる方は一定数います。通常は数時間〜半日で落ち着く範囲です。水分補給と軽めの食事、激しい運動とアルコールを控えれば、おおむね翌朝までに回復するパターンが多く見られます。
翌日〜2日後:軽い筋肉のこわばり(許容範囲内):普段使わない深層筋に圧やストレッチが入った後、軽い筋肉痛のようなこわばりが出ることがあります。運動後の筋肉痛に近い反応で、軽いストレッチ・温浴・十分な睡眠で改善に向かうことが多いです。
3日以上続く強い痛み・しびれ・皮下出血:揉み返しまたは別の要因の可能性:ここは慎重に扱う領域です。次のいずれかが想定されます。
- 強圧で筋繊維に過剰なダメージが入った(揉み返し)
- もともと潜在していた整形外科的問題が、施術を契機に表面化した
- 施術と無関係なタイミングで別の不調が同時発生した
どれに当たるかは、施術者やサロンには判断できません。整形外科・神経内科・かかりつけ医など、医療機関への相談を優先してください。
日本整形外科学会の公開資料では、しびれ・力が入らない・足の感覚低下・歩行時の違和感などの神経症状について、自己判断せず整形外科専門医の受診が推奨されています(2026年6月時点・日本整形外科学会公開資料より)。
なお、施術直後の一時的なだるさを「好転反応」と呼ぶ向きもありますが、その見方には注意も必要です。揉み返しとの違いは、タイ古式マッサージは痛い?好転反応と揉み返しの見分け方で詳しく整理しています。
こういう痛みは受診を:医療機関相談の目安
本記事はリラクゼーションの一般情報の整理であり、医療の判断材料ではありません。次のような症状が施術中・施術後に出た場合は、医療機関への受診を優先してください。
- しびれ・腕や脚の感覚低下・力が入らない:整形外科・神経内科
- 原因不明の急性痛・3日以上続く強い痛み:整形外科またはかかりつけ医
- 明らかな皮下出血・腫れ:整形外科・皮膚科
- 発熱・倦怠感の強い持続:内科・かかりつけ医
- めまい・吐き気・血圧変動の自覚:内科・循環器内科
個別の症状判断は医療機関で行う必要があります。妊娠中・術後・循環器疾患・骨粗鬆症などの既往歴がある方は、施術前に主治医へ相談のうえ、サロンにも事前にお伝えください。
厚生労働省 e-ヘルスネットの公開資料では、運動や身体活動に関連する不調は自己判断を避け、医療機関の受診が推奨されています。また厚生労働省の通知では、施術業と医療行為の区別が示されています(2026年6月時点・厚生労働省公開資料より)。
痛みを出さないサロン選びの確認点
「痛い」体験を減らす最大の予防策は、実はサロン選びの段階にあります。次の3点が整っているお店は、施術中・施術後の不調リスクを下げる仕組みを持っていると考えられます。
確認点1:施術前カウンセリングが十分か:当日の体調・既往歴・服薬・痛む部位・睡眠状況を、施術前にしっかり聞き取るサロンはリスク管理の意識が高いと言えます。カウンセリングの丁寧さは、痛みの相談を減らす最大の予防策です。
確認点2:圧の段階確認が標準化されているか:施術開始から早い段階で「圧の強さはいかがですか」と必ず確認するお店は、体感に合わせて圧を調整する体制があります。標準化されていないと、施術者の経験量に品質が左右されます。
確認点3:施術後のアフターケアの案内があるか:「水分補給を」「激しい運動と入浴は時間を空けて」「不調が続いたら相談を」といった具体的な案内があるかが見極めポイントです。書面でも口頭でも、施術後に責任を持つ姿勢の表れです。
WHO(世界保健機関)の Traditional Medicine Strategy では、伝統療法・補完療法を提供する事業者の自己規範と消費者保護の重要性が示され、事前説明と施術後フォローを含むサービス品質確保が指針として整理されています(2026年6月時点・WHO公開資料より)。
サロン選びそのものの考え方は、個人サロンと大手チェーンの本当の差|リラクゼーションサロンの選び方で詳しく解説しています。横浜エリアで探している方は横浜のタイ古式マッサージおすすめ5選も参考になります。
痛みを抑えて満足度を上げる過ごし方
最後に、痛みを抑えて施術満足度を上げる過ごし方を、施術前・施術中・施術後の3段階で整理します。
施術前
- 前日の睡眠を6時間以上確保する
- 来店2〜3時間前までに軽めの食事を済ませる
- 当日のアルコール摂取を控える
- カウンセリングで「弱め・中・強め」の希望を最初に共有する
- 既往歴・服薬・気になる部位を遠慮なく伝える
施術中
- 痛みの種類を4つのフレーズで使い分けて伝える
- 呼吸を止めない(ストレッチの引き伸ばし感がやわらぐ)
- 「これくらい大丈夫」と無理しない(揉み返しのリスクが下がる)
- 違和感が出たら即座に伝える
施術後
- 常温水〜白湯を目安1L補給する
- 2時間は熱い入浴と激しい運動を避ける
- 当日のアルコールは控える、または翌日に回す
- 翌日以降に強い不調が出たらサロンへ相談、症状によっては医療機関へ
料金や時間配分の目安は、タイ古式マッサージの料金相場と価格の意味もあわせてご覧ください。
タイ古式マッサージの「痛い」についてよくある質問
Q1:タイ古式マッサージは「痛いほうが効く」って本当ですか?
痛みの強さと、得られるリラックス度は必ずしも比例しません。むしろ強い痛みを伴った施術後に揉み返しの相談が増える傾向があり、「心地よさを超える痛みは施術者に伝える」のが基本とされています。当日の体調や痛みの種類で適切な圧は変わるため、施術前の体調共有が大切です。
Q2:施術中に痛いと言うのは申し訳ない気がします。どう伝えれば?
「もう少し弱く」よりも、痛みの種類を分けて伝えると調整してもらいやすくなります。記事中の4分類(刺すような鋭い痛み/深部に響く重い感覚/ストレッチの限界感/心地よさの限界超え)を使えば、経験のある施術者ならすぐ内容を調整できます。
Q3:施術後に体が痛い・だるいのは失敗ですか?
一概に失敗とは言えません。施術後数時間〜翌日にかけて、一時的なだるさ・眠気・軽いこわばりを感じる方は一定数います。ただし2〜3日以上続く強い痛み・皮下出血・しびれが出た場合は、揉み返しや体調との不適合の可能性があり、サロンへの相談と、症状によっては医療機関の受診をおすすめします。
Q4:腰痛や肩こりが強い日に受けても大丈夫ですか?
個別の判断は医療機関で行う必要がありますが、鋭い痛み・しびれ・発熱・原因不明の急性痛がある場合は施術を控え、まず整形外科などの受診が推奨されます。慢性的な張り感の場合は、施術前のカウンセリングで強さと回避部位を共有するとリスクを下げられます。
Q5:妊娠中や既往歴がある場合は受けられますか?
妊娠中・術後・循環器疾患・骨粗鬆症などの既往歴がある場合は、原則として主治医の許可を確認し、サロンに事前申告するのが安全です。安全性の判断は医療従事者でないと難しいため、可否は医師にご相談ください。
まとめ:「痛い」を分解して伝えるのが、安全な施術への近道
最後に要点を整理します。
- タイ古式の「痛い」は5タイプ(神経・骨/深層筋/ストレッチ/強圧/既往症)に分かれ、対処も違う
- 伝え方は「弱く」ではなく痛みの種類で。4つのフレーズで施術者は即調整できる
- 施術後の反応は当日/翌日/3日以上の時間軸で見分ける
- しびれ・3日以上続く痛み・皮下出血は医療機関へ。施術は医療行為ではない
- 痛みを出さない最大の予防は、カウンセリング・圧確認・アフターケアが整ったサロン選び
「痛いほうが効く」という誤解を手放し、痛みの種類を分けて伝える。これが安全で満足度の高い施術への近道です。あなたが不安なく、心地よい一回に出会えることを願っています。
この記事の運営者について
Suzuki|サロンオーナーセラピスト。都内大手リラクゼーションサロンで5年勤務し、延べ15,000人以上のお客様を施術。現在はプライベートサロンを経営し、「痛くない・揉み返さない」深層リラックスの施術を提供しています。本記事は施術現場での経験と公開情報をもとに整理した内容で、医療行為の代替を目的とするものではありません。
免責事項
※本記事は一般的な情報の整理であり、特定の施術の効果や安全性を保証するものではありません。施術は医療行為ではありません。施術中・施術後に強い痛み・しびれ・皮下出血・発熱などが出た場合や、持病・治療中の症状がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。
