この記事でわかること
- タイマッサージの種類は「流派」と「施術形態」の2軸で整理すると迷わない
- 流派=チェンマイ式(ストレッチ寄り)・ワットポー式(指圧寄り)・タイ厚生省式(中間)の違い
- 施術形態=タイ古式・オイル・フット・アロマ・トークセンがそれぞれどんな人・目的に向くか
- 2つの比較表と、初めてでも失敗しない選び方の指針
「タイマッサージって、お店ごとにメニューがバラバラで何を選べばいいか分からない」——プライベートサロンを開いてから、何度もいただいてきた声です。本記事では、種類を一覧で整理し、あなたの目的に合う1つを選べるようにします。
結論を先に書きます
タイマッサージの種類は、「流派(どの技法の系統か)」と「施術形態(オイルを使うか・どこを施術するか)」の2軸で整理すると、一気に分かりやすくなります。
「流派」は施術の味付け、「施術形態」はメニューの種類。たとえば「チェンマイ式のタイ古式」のように、2つを掛け合わせたものがお店のメニューになっています。
この記事は、その2軸を一覧表で見える化し、目的別にどれを選ぶかまで整理する「種類カタログ」です。なお、整体やリフレクソロジーとの違いは別記事で詳しく扱うため、ここでは種類の比較に絞ります。
- 種類は「流派」×「施術形態」の2軸で考える
- 流派はチェンマイ式(柔・ストレッチ)/ワットポー式(強・指圧)/タイ厚生省式(中間)
- 施術形態は着衣のタイ古式が基本、ほかにオイル・フット・アロマ・トークセン
- 選び方は「目的」を先に決め、流派は好みの圧で選ぶ
ネット上の解説は、流派だけ・施術形態だけを単独で説明するものが多く、「結局どれを選べば」が抜けがちです。本記事は2軸を掛け合わせ、選ぶところまで橋渡しします。
そもそもタイマッサージの種類は「2軸」で分かれる
最初に全体像です。タイマッサージの種類は、技法の系統(流派)と、メニューの形(施術形態)という2つの軸で枝分かれします。
ここを混同すると混乱します。「チェンマイ式」は流派の名前、「フットマッサージ」は施術形態の名前で、そもそも比べる土俵が違うのです。
流派は、タイ古式マッサージという伝統療法の中の「味付け」の違い。施術形態は、オイルを使うか・全身か足だけかといった「メニュー」の違いです。
- 流派=チェンマイ式・ワットポー式・タイ厚生省式の3系統
- 施術形態=タイ古式・オイル・フット・アロマ・トークセン
- お店のメニューは「流派 × 施術形態」の掛け合わせ
たとえば同じ「タイ古式マッサージ60分」でも、チェンマイ式のお店ならストレッチ多め、ワットポー式のお店なら指圧多め。看板メニュー名が同じでも、流派が違えば体験は別物になります。
そもそもタイマッサージとは何か、という全体の定義はタイ古式マッサージとは|効果・歴史・受け方の基礎知識にまとめています。本記事はその「種類」部分を深掘りする位置づけです。
流派の種類|チェンマイ式・ワットポー式・タイ厚生省式の違い
まず流派から見ていきます。結論は、チェンマイ式はストレッチ中心で柔らかく、ワットポー式は指圧中心で強め、タイ厚生省式はその中間、という3系統です。
タイ古式マッサージには大きく2つの源流があります。北部の古都チェンマイで伝えられてきた技法と、首都バンコクの寺院ワット・ポーを総本山とする技法です。
この2つに、後年タイ政府(厚生省)が標準化したスタイルを加えた3つが、日本のサロンでよく耳にする流派です。
チェンマイ式(北部・ストレッチ寄り)
チェンマイ式は、ヨガのようなストレッチを多く取り入れ、流れるような動きで全身をゆるめていくのが特徴です。圧はマイルドめ。
古都チェンマイのオールドメディシンスクールで伝えられた技法が基礎と言われます。リズミカルで、施術後に体がのびのびする感覚を求める方に好まれます。
「強く揉まれるのは苦手」「ストレッチで気持ちよく伸ばされたい」という方は、チェンマイ式寄りのお店が合いやすい傾向です。
ワットポー式(バンコク・指圧寄り)
ワットポー式は、親指を重ねた一点集中の指圧を多用し、強めの圧でツボやセン(エネルギーライン)を刺激するスタイルです。
バンコクの名刹ワット・ポーが総本山で、日本国内で広く普及している系統でもあります。「しっかり押されて効いている感じが欲しい」という方に向きます。
ただし圧が強い分、強もみが苦手な方には刺激が大きく感じられることも。力加減はカウンセリングで相談するのが安心です。
タイ厚生省式(標準化・中間)
タイ厚生省式は、チェンマイ式とワットポー式のいいとこ取りで標準化された、バランス型と言われます。
指圧とストレッチを両方バランスよく組み合わせ、アクロバティックすぎる動きは控えめ。「どちらが好みかまだ分からない」という初めての方が、最初に試しやすい系統です。
なお、店名やメニューに流派が明記されていないお店も多くあります。その場合は「ストレッチ多めですか、指圧多めですか」とカウンセリングで聞けば、実質的な味付けが分かります。
流派の違いを比較表で整理
3つの流派を一目で比べられるよう、表にまとめます。あくまで一般的な傾向で、お店や施術者によって幅がある点はご了承ください。
| 流派 | 圧の強さ | 施術の中心 | こんな人に向く |
|---|---|---|---|
| チェンマイ式 | マイルド | ストレッチ・全身を流す | 強もみが苦手・伸ばされたい |
| ワットポー式 | 強め | 一点集中の指圧 | 押されて効く感じが欲しい |
| タイ厚生省式 | 中間 | 指圧+ストレッチの両方 | 初めて・好みが未確定 |
表の右列「こんな人に向く」が、お店選びで一番役に立つはずです。圧の好みで選ぶのが、流派選びの最短ルートです。
施術形態の種類|タイ古式・オイル・フット・アロマ・トークセン
次に施術形態です。ここが、お店のメニュー表に並ぶ「コース名」にあたります。結論は、着衣でオイルを使わない「タイ古式」が基本形で、そこにオイル・部位特化・木槌などのバリエーションが加わります。
施術形態は「オイルを使うか」「どこを施術するか」で分かれます。順番に見ていきましょう。
- タイ古式マッサージ(着衣・オイルなし・全身)
- タイ式オイルマッサージ(オイルあり・なで圧)
- フットマッサージ(足・ふくらはぎ中心)
- アロマトリートメント(精油の香り+オイル)
- トークセン(木槌でリズミカルに刺激)
タイ古式マッサージ(着衣・オイルなし・全身)
タイ古式マッサージは、専用のゆったりした服に着替え、オイルを使わずにマットの上で受ける全身施術です。これがいわゆる「タイマッサージ」の基本形。
指圧・圧迫・ストレッチを組み合わせ、足から背中・肩・首まで全身をつなげてゆるめます。施術者が脚や腕を持って伸ばすため、自分では届かない深さまで筋肉が伸びるのが特徴です。
「全身がこわばっている」「体が硬い」という方の入り口として、最もスタンダードな選択肢です。
タイ式オイルマッサージ(オイルあり・なで圧)
タイ式オイルマッサージは、肌にオイルを塗り、なでるような圧で流していく施術です。着衣のタイ古式とは違い、肌を露出して受けます。
セン(エネルギーライン)を意識しつつ、ストレッチよりも「流す」動きが中心。むくみや、なめらかな手触りの心地よさを求める方に向きます。
フットマッサージ(足・ふくらはぎ中心)
フットマッサージは、足裏・足指・ふくらはぎを中心にほぐす部位特化型です。リフレクソロジー(足裏の反射区を刺激するケア)と組み合わされることもあります。
「立ち仕事で脚が重い」「全身は時間がないけれど足だけでも」という方に選ばれます。足のケアの詳しい違いはタイ古式とリフレクソロジーの違い|足裏ケアの基礎知識で整理しています。
アロマトリートメント(精油の香り+オイル)
アロマトリートメントは、精油(エッセンシャルオイル)の香りを使ったオイルマッサージです。体だけでなく、香りで気持ちのリラックスを狙う点が特徴と言われます。
「忙しくて気持ちがせかせかしている」「香りに癒されたい」という方に好まれる形態です。
トークセン(木槌でリズミカルに刺激)
トークセンは、木槌(つち)と木の棒を使い、リズミカルに体を叩いて振動を伝える北部タイ由来の施術です。日本ではまだ扱うお店が限られます。
手では届きにくい振動刺激が独特で、「いつもと違う刺激を試したい」という方の選択肢になります。珍しい形態なので、メニューにあれば体験する価値があります。
施術形態の違いを比較表で整理
5つの施術形態を、オイルの有無・服装・向いている目的で比べます。
| 施術形態 | オイル | 服装 | 主な目的・向く人 |
|---|---|---|---|
| タイ古式 | なし | 専用着 | 全身のこわばり・体が硬い |
| オイル | あり | 肌を露出 | むくみ・なめらかな心地よさ |
| フット | 任意 | そのまま | 脚の重さ・足だけケアしたい |
| アロマ | あり | 肌を露出 | 香りで気持ちもリラックス |
| トークセン | なし | 専用着 | 振動刺激・珍しい体験 |
迷ったら、まずは基本形の「タイ古式」から。受けてみて物足りなければオイルや部位特化へ、と広げるのがおすすめです。
目的別|あなたに向くタイマッサージの種類はどれ?
ここがこの記事で一番お伝えしたい部分です。「目的」を先に決めれば、種類は自然に絞れます。カウンセリングで実際に行っている振り分けを整理しました。
選ぶ順番は、まず施術形態(目的)を決め、次に流派(圧の好み)を選ぶ、の2ステップが迷いません。
- 全身がこわばって体が硬い:タイ古式 × チェンマイ式(ストレッチ多め)
- しっかり押されて効く感じが欲しい:タイ古式 × ワットポー式(指圧多め)
- むくみ・なめらかな心地よさ:タイ式オイルマッサージ
- 立ち仕事で脚が重い・時間がない:フットマッサージ
- 香りで気持ちも休めたい:アロマトリートメント
- 初めてで好みが分からない:タイ古式 × タイ厚生省式(中間)
逆に、次のようなケースはマッサージの種類選びの前に確認すべきことがあります。
- しびれ・刺すような痛み・じっとしていても痛む:まず医療機関へ
- 発熱中・飲酒後・妊娠中:受けられるか事前にお店へ確認を
- 持病や治療中の症状がある:かかりつけ医に相談してから
体調に不安があるときは、心地よさより安全が先です。気になる症状があれば、種類を選ぶ前にまず医療機関やお店に相談してください。
実際にお店を選ぶ段階では、横浜エリアのサロンを比較した横浜のタイ古式マッサージ徹底比較|失敗しないサロンの選び方もあわせてご覧ください。
初めてでも失敗しない種類の選び方3ステップ
最後に、選び方を手順に落とし込みます。種類が多くて迷っても、この3ステップなら自分に合う1つにたどり着けます。
ポイントは、全部を理解しようとしないこと。目的→圧の好み→お店への確認、の順で十分です。
- 目的を決める(全身か・足か・むくみか・香りか)
- 圧の好みで流派を選ぶ(柔らかめ=チェンマイ/強め=ワットポー)
- カウンセリングで力加減と禁忌を確認する
ステップ1:目的を決める
まず「今日、何をしたいか」を1つに絞ります。全身のこわばりをほぐしたいのか、脚の重さを取りたいのか、香りで休みたいのか。目的が決まれば施術形態は自動的に決まります。
「あれもこれも」と欲張ると選べなくなります。今日の一番の悩みに絞るのがコツです。
ステップ2:圧の好みで流派を選ぶ
施術形態が「タイ古式」なら、次は流派=圧の好みです。柔らかく伸ばされたいならチェンマイ式、強く押されたいならワットポー式、迷うなら中間のタイ厚生省式。
流派がメニューに書いていなければ、「ストレッチ多めか指圧多めか」を聞けば実質的に分かります。
ステップ3:カウンセリングで確認する
予約時や来店時に、力加減・所要時間・受けられない条件(禁忌)を確認します。経験年数や施術人数を公開しているお店は、目安として参考になります。
不安や苦手な刺激は、施術前に遠慮なく伝えてください。良いお店ほど、こうした相談に丁寧に応えてくれます。タイ古式にまつわる「よくある勘違い」はタイ古式マッサージのあるある|よくある誤解と本当のところでも整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q1:タイマッサージの種類は、結局どう選べばいいですか?
まず目的(全身・足・むくみ・香り)で施術形態を決め、次に圧の好み(柔らかめ=チェンマイ式/強め=ワットポー式)で流派を選ぶ、の2ステップがおすすめです。初めてで好みが分からない場合は、基本形の「タイ古式」を中間のタイ厚生省式で受けてみると、自分の好みが見えてきます。
Q2:チェンマイ式とワットポー式は何が違うのですか?
大きな違いは圧の強さと施術の中心です。チェンマイ式はヨガ的なストレッチが多く圧はマイルド、ワットポー式は親指を重ねた一点集中の指圧が多く圧は強めの傾向があります。同じ「タイ古式60分」でも、流派が違うと体験はかなり変わります。
Q3:タイ古式マッサージとオイルマッサージはどう違いますか?
タイ古式は着衣でオイルを使わず、ストレッチと指圧で全身をゆるめる施術です。一方のタイ式オイルマッサージは肌にオイルを塗り、なでるような圧で流していく施術で、むくみケアやなめらかな心地よさに向きます。目的に合わせて選んでください。
Q4:初めてならどの種類がおすすめですか?
迷ったら「タイ古式マッサージ」を中間のタイ厚生省式で受けるのが無難です。指圧とストレッチを両方バランスよく体験でき、自分が「もっと強いほうがいい」「もっと柔らかいほうがいい」と感じれば、次回から流派を寄せていけます。
Q5:トークセンやアロマは、普通のタイ古式と何が違いますか?
トークセンは木槌で叩いて振動を伝える北部タイ由来の施術で、手では届きにくい刺激が特徴です。アロマトリートメントは精油の香りを使うオイルマッサージで、香りによる気持ちのリラックスを重視する形態です。いずれも基本のタイ古式とは目的が異なるので、体験したい刺激で選び分けるとよいでしょう。
Q6:体調が悪いときや妊娠中でも種類を選べば受けられますか?
種類選びの前に、まず受けてよい状態かの確認が優先です。発熱中・飲酒後・妊娠中・持病や治療中の症状がある場合は、自己判断せず事前にお店やかかりつけ医に相談してください。しびれや鋭い痛みがあるときは、マッサージより先に医療機関の受診をおすすめします。
まとめ:種類は「流派 × 施術形態」、目的から選べば迷わない
最後に、この記事の要点を整理します。
- タイマッサージの種類は「流派」と「施術形態」の2軸で整理すると分かりやすい
- 流派はチェンマイ式(柔・ストレッチ)/ワットポー式(強・指圧)/タイ厚生省式(中間)
- 施術形態は着衣のタイ古式が基本、ほかにオイル・フット・アロマ・トークセン
- 選び方は①目的で施術形態を決める→②圧の好みで流派を選ぶ→③カウンセリングで確認
- 体調に不安があるときは、種類を選ぶ前にまずお店や医療機関に相談する
種類が多くて迷っても、目的を1つに絞れば選ぶ道は自然に決まります。今日の一番の悩みを手がかりに、まずは合いそうな1つを試してみてください。
この記事の運営者について
Ayumi|サロンオーナーセラピスト。都内大手リラクゼーションサロンで5年間勤務し、延べ15,000人以上のお客様を施術。現在はプライベートサロンを経営し、「痛くない・揉み返さない」深層リラックスの施術を提供しています。
免責事項
※本記事は一般的な施術情報の整理であり、特定の効果・効能を保証するものではありません。発熱・飲酒後・妊娠中・持病や治療中の症状がある場合、しびれ・強い痛みがある場合は、自己判断で受けず必ずお店や医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
- 厚生労働省「生活衛生関係営業の概要(リラクゼーション業を含む)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/index.html
- 厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/anma_index.html
- 独立行政法人国民生活センター「マッサージ・整体・リラクゼーションサービスに関する相談」 https://www.kokusen.go.jp/
- 消費者庁「美容・健康サービス等のトラブルに関する注意喚起」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/

